少し春めいて来ましたが、まだ寒い日があり、そんな日はおでんが食べたくなります。
今回は、お出汁にこだわっておでんを作ってみました。
これまでは市販のおでんの素を使う事が多かったのですが、最近お出汁を取るのに目覚め、今回は香りの良い利尻昆布と、カツオ本節(血合い抜き)でお出汁を取っておでんを作ってみました。
血合い抜きのカツオ本節特徴は、旨味が強くエグみが少いため、利尻昆布の上品な旨みや香りと相性が良いです。
この記事は、お出汁作りに注力したものとなっており、お出汁についてはかなり細かく、説明が長くなってしまうと思いますが、ご勘弁下さい。その代わりおでんの具材作りはサクサク説明したいと思います。
どうぞよろしく!
お出汁作り
早速、長い前置きになりますが、お出汁といえば昆布とカツオが一般的ですが、お出汁の取り方は数えきれないくらいあります。
昆布やカツオの産地、使用する部位、作る工程で味や香りが異なり、昆布とカツオの比率が違えば違うお出汁になります。こだわったら先が見えない世界です。
よって、産地や部位、作り方による味や香りの違いをざっくり理解し、後はお店や市場で見つけたものを出会いと捉えて、色々楽しんでみるのがいいと思います。
また、昆布とカツオはたっぷり使えば、その分濃いお出汁になりますが、お値段もかかります。
よって、色々試してお水と昆布の比率を覚えておくと良いと思います。この比率は0.5〜2%でよいでしょう。※お水1Lに対して、昆布10gであれば1%
2%でもお出汁はかなり濃く、贅沢にお出汁を効かせたい場合は昆布の比率を上げるとよいです。
カツオの分量は昆布の量に対して決めます。昆布の種類にもよりますが、3〜7倍程度が理想です。※昆布のグルタミン酸とカツオのイノシン酸の量を合わせる事による相乗効果を期待するため。利尻昆布はカツオの3倍強程度。
今回はカツオの分量をきっちり合わせましたが、普段は2倍程度で十分でしょう。お好みで増やしてみてください。
(お出汁の材料)
・お水 1.5L
・利尻昆布 15g
・本削り節(血合い抜き) 47.3g
利尻昆布のグルタミン酸は1.494g/100g(注1)
カツオ節のイノシン酸は0.474g/100g(注2)
上記にて、本削り節の分量を計算しました。
【参考】
注1,2:うま味インフォメーションセンター(https://www.umamiinfo.jp/umamidb/)うま味データベース
(お出汁の取り方)
まずは昆布出汁から取っていきます。
昆布の表面には汚れがついているため、掃除からしていきます。
昆布の表面には旨みも付いているため、水で洗うのではなく、日本酒を少し浸したキッチンペーパーなどで軽く拭き取るように掃除します。
掃除した昆布を水に浸し、一晩常温に置いておきます。昆布と浸した水とともに、お鍋に移して火にかけます。
沸騰直前で昆布を取り出します。
昆布を取り出した後、このように灰汁が浮いています。よって、沸騰させこの灰汁を取りましょう。
灰汁を取ったら火を消し、温度を下げる(イノシン酸が最も溶け出す温度は85度)ため100mlのお水をお鍋に加えた後、カツオ節も加えます。この状態で2分置き、キッチンペーパーを敷いたザルでお出汁を漉します。
お出汁の完成です。
おでん材料(3〜4人分)
(おでんつゆ)
・カツオと昆布のお出汁 1.5L ※上記で取ったお出汁
・醤油 60ml
・みりん 60ml
・砂糖 9g(大さじ1程度)
・塩 2g(小さじ1/2程度)
(おでん具材)
・大根 1/2本
・たまご 6個
・じゃがいも 4個
・こんにゃく 1枚
・牛すじ 200g(8本)
・たこ 100g(4本)
・つぶ貝 6個
・ちくわや練り物類 適量
おでん作り方
まずは具材を用意します。
いきなりおでんつゆに入れるのではなく、一度下茹でや下処理をする事で、均等な煮え具合になります。
また、牛すじやタコなども下茹でする事で、お出汁が活きた、澄んだスープになります。
各具材の下処理を記載します。
・大根 厚めに皮をむき、面取りし、十字に切れ込みを入れる。15分程度下茹でし、一度冷ます。
・たまご 10分強火で茹でる。※強火で茹でることで殻が剥きやすくなる。
・じゃがいも 出来ればメークイーンを使用し、皮と目を取り、水から茹でる。沸騰したら弱火にして15分程度下茹で。その後冷ます。
・こんにゃく 格子状に5mm程度の切れ目を入れ、食べやすい大きさに切り、2〜3分沸騰したお湯で下茹で。
・牛すじ 今回は冷凍の下処理不要の物を買ったが、臭みがあり、5分程度下茹でし、余分な血や脂を除去した。その後、食べやすいサイズで串に刺す。
・たこ、つぶ貝 軽く洗い、食べやすいサイズで串に刺し、沸騰したお湯で30秒下茹で。
・練り物類 揚げてある練り物などは沸騰したお湯をかけ、油切りをしてもよいが、旨味が逃げる可能性があるため注意。
次におでんつゆを作ります。おでんのつゆは材料を全て入れ、ひと煮立ちさせれば完成。
時間がかかるものから入れて、沸騰させず、弱火〜中火で煮込んでいきます。
大根とこんにゃくを先に入れ、その上にたまご、じゃがいも、牛すじを入れて、1時間煮込みます。
可能であればその時点で火を止め、一晩置くと味が染み込みます。
食べる際に温めて、タコ、つぶ貝、練り物類を入れ、10分煮込み、味見をして物足りなければ塩や醤油を加え、完成です。
今回はビールでいただきました。
お好みでからしや柚子胡椒を合わせてもいいです。
また、つゆが足りない場合は、出汁を取ったカツオと昆布で2番出汁を取り、同じ比率でつゆを作って足すようにしましょう。
お出汁の旨みが、素材の美味しさを活かし、相乗効果で美味しくなっていました。
スープもお出汁と具材の旨味が合わさり、旨味バクダンになってます。
今回、利尻昆布とカツオでお出汁を取り、上品なおでんを作ってみましたが、次回は旨味とコクの強い羅臼昆布と厚削り節で、ガツンと濃厚なお出汁を取って、おでんを作ってみたいと思います。
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